アコースティックギターの音って違いがあるの?

ギター

楽器は音を出す道具です。なんで好きかはわかりませんが、私はアコースティックギターの音が好きです。

ギターって見た目が基本同じように見える・・・

けどよく聞くと音も少し違うんです。すごく細かいことを言えばおんなじ会社のおんなじ商品でも違うんです。そこまで聞いて、精査する人はごく少数でしょうけどね。こだわる人はこだわります。

文字にしてしまうとなんか理屈っぽくなりますけど、ギター選びの参考に。

見るだけじゃなく触ってみるきっかけになれば幸いです。

音ってそもそもなんなのか。

wikiを読んでもらうのが一番かもしれませんが・・・

おおまかにですが、

とは振動です。

なにか、ものが振動すればそこに音が生まれます。

その振動が空気を振動させ、その空気の振動を耳で察知すると人は音が聞こえたと感じることができます。

人はここで初めて音だとわかります。

 

 

そして音は球面波です。

球面波は、障害物が何もないところであれば球体が大きくなるように空気の振動が伝わっていく現象です。

距離が延びるにつれて音をつたえる振動は減衰していきます。

花火のようなイメージではないでしょうか。

花火も基本的には球体に広がっていきます。

ですのでどの角度から見ても円形ですよね。

 

同じく音は障害物がない限り全方向に飛んでいきます。

音の三要素

音を考える上で音の三要素というものがあります。

  • 音の大きさ
  • 音の高さ(音程)
  • 音色

です。

音の大きさ

音の大きさは説明しなくてもわかりますね。デシベル(db)などで表現される音の大きさです。

調べればでてくるのですが、例えば

20dbなら木の葉がこすれる音

100dbなら地下鉄の構内

といった具合です。

音の高さ(音程)

音程です。ヘルツ(Hz)などで表されますね。

みんな大好き440Hzはドレミファソラシドで言えば「ラ」の音。Aの音です。

440Hzの意味は一秒間に440回振動してるという意味になります。

ですのでどんな物質でも一秒間に440回振動すれば「ラ」の音が出るということです。

一秒間に振動する回数が多ければ多いほど高い音に聞こえます。

つまり数字の大きいヘルツほど高い音ということになります。

 

話は少しそれますが、人間の聞こえる音の高さにも限界があります。

年齢によっても違うようですが、20~20kHzといわれています。

若い人は高い音もよく聞き取れます。モスキート音というのもそうですね。

人間は加齢とともに高い音が聞こえにくくなっていくようです。

音色

今回のタイトルの「音」とはこの音色のことになります。

ギターの個体差で一番気になるところはこの音色ではないでしょうか?

どんな音色がよくて、悪いのかではなく、好みの問題です。答えはありません。

しかし、聞いていて本当に心地いい音、というのは存在すると思います。

製作者はこれを追い求めることが多いのではないでしょうか。

その音色の違いについて書いていきたいと思います。

音を出している材質について

先ほど言いましたが、なにかが振動することで音になっています。

つまり振動しているものがどんなものなのかで音色が決まってきます。

 

例えばですが、小銭が落ちた音はわかりますよね。

わかる人は何円玉が落ちたのかまでわかる人もいるのではないでしょうか。

それも材質や大きさなどの違いが大きく影響しています。

 

例えば金属なのか、木材なのか、プラスチックなのか、など。

他にもいろいろ素材はあると思いますし、複合物もあると思います。

ちなみにギターは木材と金属や骨などの複合物です。

 

アコースティックギターは

トップ材なら、松、杉

サイド、バック材なら、マホガニー、ローズウッドなど

が有名です。メイプルなんかもありますね。

また見た目は同じようでも、一枚板の単板、材料が何枚か重ねてある合板では音はまるで違います

ブレーシングでも音は変わりますが、材質による音の傾向は変わらないです。と主観的に思います。

 

私は今のところ、トップ材が杉、バック材がローズ系が材質的には一番好きな音色です。

くっきりした音色、反応が早く音も軽いから好きです。

 

他にもサドルやブリッジ、ナットの材質などによってもかなり音は変わってきます。

こういった場所は弦からの振動を直接伝えてるところですから、音色への影響も大きいです。

音を出している形について

音を出しているものの形が違うと音の伝達方向や音色に差が出てきます。

 

例えば球体なのか、面なのか、円柱なのか、とかです。

例えばペットボトルとかをたたいて応援したりすることがありますよね。

2Lのものをたたいた時と、500mlのものをたたいた時では音が違うと思います。

他にも金管楽器で言えば、トランペットやホルンなどのベルの部分。

同じ材質でも形や大きさが全然ちがうので音も全然違います。

形によって音が飛んでいく方向が関係してきます。

アコースティックギターは

形や大きさや材料の厚さ、張ってある弦の長さなどで音は大きく変わってきます。

ギター内部ののブレーシングもありますが、大きさや形などのほうが音に対する影響が大きいです。

形が大きい方が音のバリエーションは豊かだと思います。

でも個人的にはは小さいギターの音の方が好きです。

音色が違って聞こえる理由

音色が材質や形、大きさによって違ってくる。

でもなんで違って聞こえるのでしょう。

それは大体の音は単音、音が一つだけなっているわけではないからです。

単音っていうのは○○Hzだけの音です。音叉などの音がこれにあたります。

 

しかし、大体の音が鳴るものには倍音というものが存在します。

つまり音色とは出した音に含まれる倍音の違いによって変わってきます

倍音とは

倍音とは、楽音の音高とされる周波数に対し、2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分。1倍の音、すなわち楽音の音高とされる成分を基音と呼ぶ。

wikipediaより

この倍音の違いが楽器の個性になります。

どんな倍音が含まれているか、それで音色が決まってきます。

振動する際、見た目ではわからないですが、音を出すといろんな振動モードが存在していて、それらが複雑に重なりあって音が出ているのです。

倍音というように、一番はっきり聞こえる基音の2倍、3倍・・・という倍音が出ています。

ギターで言えばハーモニクスがそうです。弦の倍音の支点を触ってあげることで触った倍音の振動モードが作りやすくなり、倍音が出るのです。

試しに弦振動を3DCADで描いてみました。平面的だけど、わかるのかなぁ・・・

雑ですが基音と2倍音、三倍音の画像をを組み合わせてGIFにしてみました。

倍音はもっとあるので動きはもっと複雑になると思いますが、こんな感じで弦は振動しているはずです。だって倍音が出てるんですから。

スペクトラムアナライザーやオシロスコープで音を目で見る

それを視覚的に見れるものがスペクトラムアナライザーというものです。

オシロスコープは周波数を波で見ます。単音なら見やすい(わかりやすい)ですが、倍音が含まれているとなんだかよくわからないです。

それに比べてスペクトラムアナライザーは周波数を棒グラフで表示してくれるため、どんな倍音が含まれているのか視覚的にすごくわかりやすいです。

オシロスコープとスペクトラムアナライザーの違いを非常にわかりやすく図で書かれてあったサイトがあったので3DCADで真似して作ってみました笑

波を正面から見たらオシロスコープ(赤)、横から見たらスペクトラムアナライザー(青)

考え方が違うと見え方が全然違うものになるって面白いですね。

スマホアプリにも優秀なものがあるようですので試してみると面白いかもしれません。

今度違う記事でまとめてみようかな。

最後に

材料や、形、大きさで音は結構変わります。

同じように見えても、材料が違うだけで音は全然違います。

同じように見えても、ブレーシングが違うと音も変わります。

なにがよくて、何が悪い、ということはありません。

 

ただ、材料同士がしっかりくっついていない、接着剤で無理やりくっつけてあるのは良くないです

ナットやサドルがしっかりと接地していない、これもよくないと思います。

音色、音の反応も明らかに悪い方向に変わってきます。

どんなギターでも弦の振動をしっかりボディに伝えてあげれば、その素材の音、それなりの音がします。弾き心地も、聞き心地もしっかり調整されたギターであれば気持ちのいいものです。

これは値段や材料の問題ではないです。

楽器を触るときに、材料や大きさにも目を向けてから、耳を傾けてみると、違いを楽しめるかもしれません。

自分の好みのギターを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

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