良いギターとはどんなものか

ギター

良いギターとはどんなものか。

  • 音が最高。
  • 弾きやすい。
  • 見た目がもう最高。

などいろいろあるとは思います。

そして、自分の持っているものが最高だー!って思いたいものです(笑)

 

しかし、巷にはいろんなギターがあり、値段の高いものから安いもの、中古、新品いろいろあります。

どんなギターがいいギターなんでしょうか。

 

個人的な良いギターの定義

私個人が考える良いギターとは、

  1. 素材が安定している
  2. 丁寧に作られている
  3. 弾きやすく調整がされている

の三つが揃ったギターです。

もちろん音が素晴らしいことが一番いいのかもしれませんが、音は好みがあります。

ですので上記の項目が揃っているギターがその楽器の最高の状態、いいギターだと思います。

 

素材が安定している

素材が安定しているとは、ゆがみにくい木材が使われているかどうかです。

ギターの素材とは基本的に木材です。

もちろんほかの素材もありますし、これから先、いろいろな素材が出てきそうですが、現在ギターの大部分は木材で作られています。

木材は

  • 加工しやすい上に強度がある
  • 音響特性がよい

との理由から様々な楽器に木材が使われてきました。

ただ木材には弱点というか、特性があって、湿気に敏感に反応します

湿度が高くなれば水分を吸収し、木材は膨張します。

湿度が低ければ水分を放出し、木材は収縮します。

この膨張収縮を繰り返して、簡単に言えば、木材が乾燥して、硬く軽くなっていきます。

しかし、木材は細胞が均一ではないため、湿気の影響を受けやすいところと受けにくいところがあります。

そうすると、どんな木材でも少なからずゆがみが出てきます。

ゆがみとは、切り取った木材が切り取った元の形から変形してしまうことです

歪みの変化例

歪みの変化例

ゆがみを元に戻すことは難しいですし、熱などで矯正してもまた元のゆがみに戻りやすいです。

なので、乾燥させて変形が落ち着いた状態から加工することで、加工した後に湿気などの影響による変形を極力少なくします。

木材の乾燥は作る前の段階で、ある程度の大きさに裁断され、桟積みされ、自然乾燥や、乾燥機などをつかって木材を乾燥させます。

やはり一番いいといわれるのが自然乾燥です。

ねかせる人は20年くらいねかせて乾燥したものを使ったりしています。

工場などでも5年ほどはねかせてあるのではないかと思います。

 

乾燥させた後は使う前に選別もしていきます。

まずまっすぐな木目であるかを見ます、ひどく歪んでしまっているものは製品にした時に耐えられない変化をする可能性があるためあまり使われません。

この基準の定義は作り手次第ですが、ゆがみの大きいものは本来使う予定だったところとは違うところで使える場所に使われます。

例えば

ネック材がブロック材になったり、

トップ材が補強材になったり、

サイド、バック材がバインディングに使われたりします。

 

ですのでこういった下処理がしっかりされていれば変な素材が使われることはありません。

しかし、木材もいいものから選んでいくのでグレードの下の方にある商品はグレードの低い木材が使われがちです。

だから駄目なのかというとそういうわけでもないのですが、やはり値段の高いものには手間暇かかっていることが多く、当たりはずれが少ない傾向にあります。もちろんはずれもあります。

 

木材を扱う人からしたら当たり前かもしれませんが、あまりしっかり乾燥させずに加工をしたり、曲がった木目の木材が使われていると

  • 故障が多い
  • 音質が安定しない
  • 非常にデリケートで癖が強すぎる

など、非常に使いづらいギターになってしまいます。

 

なので、素材(木材)が安定したギター良いギターであると言えます。

合板の話になりますが、

接着剤での硬化、板厚も薄いので歪みづらいとは思いますが、

合板でも同じことで木材であることは変わりません。

  • 乾燥できていない。
  • 接着剤がしっかり塗られていない。

など、こういった合板は素材としては不安定な状態です。

薄くても木材です。

よっぽどでないと合板が大きく変化するということは少ないと思いますが、変形はします。

丁寧に作られている

「丁寧に作られている」とはギターを作る人が手を抜かずに作っているかどうかです。

まあいいや、と作られている箇所が少ない、もしくは無いギターがいいギターです。

「そんなの見たところでわかんねぇよ!」って言われそうですけどね。はい。

 

ギターを作るには、

加工、接着、研磨、塗装などいろいろな工程があります。

ギターの製作は「正確な作業を積み上げていくもの」です。

前の工程で適当なことをするとその先の工程でしわ寄せが来ます。

多分どの職種でもそうですよね。

そのしわ寄せが大きいと、どうしようもできなくなって、無理な加工になります。

そのしわ寄せの影響が少ないところもありますが、影響が大きいところもあります。

具体的には

ネックとボディのジョイント部分(3DCAD)

ネックとボディのジョイントのところで失敗すれば、ブリッジを取り付けたり、サドルを削るときに支障が出るときがあります。

ヘッドの穴あけが甘ければ、ペグをつける時不安定になります。

バインディングの接着で隙間ができればパテ埋めが目立ったり、さらにパテが上手く埋まってなければ塗装した後にで穴ができます。

 

他にも言い出すとキリがありませんが、ギターの製作は積み上げ式です。

バランスが崩れたらどこかでひずみが起きます。

そうならないためにも丁寧に作られているかどうか、現物の細部をわかる部分だけでも見てみてください。

例えば

  • バインディングを見てみる。
  • サウンドホールの中を覗いてみる。
  • 指板とフレットの間を見てみる。

などほかにもいろいろありますが、じっと見てみたり触ってみたりすると、違いがあります。

一本一本違う木材が使われていますから、同じ型番のギターでも一本一本違います。

木材ですから作っている側でも作りやすい、作りにくいものがあります。

 

人が作っている以上、すべて完璧にはつくるのは難しいです。

ミスもありますし、予想外なことも起こります。

 

でも、丁寧に作られているものは弾きやすいと感じますし、音も見た目も綺麗です。

なので細かなところまで丁寧に作られているギターは手がかけられた良いギターだと言えます。

 

弾きやすく調整がされている

ギターは演奏するものですので、音がいいだけでは良いギターとは言えません。

ですので演奏しやすいように調整、メンテナンスされているギターは良いギターです。

  • 試奏するとフレットがほんの少し指板からはみ出していて弾いてると痛い
  • ネックが反ってて弦高が高くて押さえづらい
  • トップが膨らんで弦高が高くて押さえづらい

など、木材ですので、変化があります。

その変化に対応するのがメンテナンスです。

買っておしまい、ではないのが楽器です。

販売保障期間〇年などもあるかもしれませんが、それ以降も楽器の変化は起こります。

○○万もしてるから良いギターとは言えません。

まあそういうギターを見たら「いいギターなのにもったいないな」と思うでしょうけど。

ただそれは希少価値のある材料が高額だったり、製作者の技術料だったりするだけです。

値段が高くても弾きづらければもったいないだけです。

なのでいいギターをお持ちの皆さん、定期的にメンテナンスはしてあげてくださいね。

 

お店に売っているギターでも調整の違いがあります。

商品を置いてるだけで何もしないお店もあります。

並んでいるギターが弾きやすいように手入れをされているお店もあります。

 

具体的には、

この見出しの最初の箇条書きにも書きましたが、フレットが少しはみ出て弾きづらい。

これは冬場になると指板がやせてフレットの幅より細くなってしまうからです。

それをちゃんと削ってくれてるお店もあります。

一つ一つ接着箇所の剥がれがないか定期的に確認してくれるお店もあります。

ネジが緩んでないか定期的に確認してくれてるお店もあります。

 

調整されていないギターは弾きにくいです。

ですのでメンテナンスされて、弾きやすいギターは良いギターだと言えます。

 

まとめ

なんだか長くなってしまいましたが、良いギターとは

  1. 素材が安定している
  2. 丁寧に作られている
  3. 弾きやすく調整がされている

が揃っている状態がいいギターです。

一度新品や中古、安い、高いを度外視して、現物を見比べてみてください。

 

しかし実際は結構値段に比例してはいますけど、安いものの中でもいいものはあります。

 

人によって好みはそれぞれあると思いますが、一言でいえば

演奏しやすい状態が維持しやすいギター

が良いギターの条件ではないでしょうか。

 

その上でボディの厚さや大きさ、ネックの形や厚さなどが続くのだと思います。

ここからは人それぞれ。

ご自身が実際に弾いてみないとわからないところです。

4スタンスも関係しているのかもしれませんね。

 

参考になれば幸いです。

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